公序良俗に反する示談はあとでくつがえされることがある!

公序良俗に反する示談はあとでくつがえされることがある! | 芸スポ速報 on TOPBUZZ示談は法律上、和解の一つとみなされています。和解により、当然、損害賠償の争いを終わらせるわけですから、いったん示談をすると、原則として、損害賠償の請求はできません。また、この示談によって取り決めた以外の賠償請求権は放棄したものとみなされます(札幌地判昭36・3・7)。ただし、加害者が、被害者の事情を了解して双方合意のうえ示談の内容を変更する分には差し支えありません。一度示談が成立すると、どちらもこの契約に拘束されます。

加害者は被害者の実損が少なかったからといって、示談金の支払いを拒めませんし、被害者は、損害が増えたからといって追加請求はできません。しかし、次のような場合には例外的に、示談を無効とし、また取り消すことができます。

  1. 示談の内容が公序良俗に反する場合(民法九O条)
    例えば示談の内容が被害の状況からみてあまりにも被害者に苛酷、低額な場合は、反し、本人の意思によらないとの理由で無効にできます。
  2. 示談の内容について、それが本人の意思でない事を知っていながら意思表示し、相手もその意思表示をした者の真意を知っていたか、あるいはそれを知ることができた場合(民法九三条)。
    これは心裡留保(しんりりゅうほ)といわれるものです。たとえば、警察から早く示談書を出すように言われた加害者が、自分であらかじめ示談書にその条項を記入し、被害者に示談書に署名押印を懇請(こんせい)し、一応金額を五万円として作成したのに心裡留保として無効と解し示談の成立を認めなかった判決例があります(大阪地判昭43・9・24)。
  3. 相手方と共謀して虚偽の示談をした場合
    これはよく見られる例で、本当に示談するのではなく検察庁や警察へ示談書を提出するためとか、保険金請求のため便宜上の示談書を作る場合です。これも大阪地判や東京地判、その他で虚偽表示として無効としています。
  4. 示談の前提として争いにならなかった事項について要素の錯誤があった場合(民法九五条)
    たとえば当事者双方とも、被害者の傷害が治癒するものと信じきって示談したところ、その後病状が固定して後遺症となったり、あるいはその事故で死亡したような場合に、要素の錯誤があると解して示談を無効にした判決例がかなりあります。同詐欺脅迫によって示談させられた場合示談の過程で相手から脅迫や詐欺など刑法上の犯罪によって示談がなされたときは、その示談を取り消すことができます。
    このうち、実務上もっとも多いのは、事故直後に、被害が軽微だという見通しで示談したところ、予想外に重傷であることがわかるようなケース。
    このような場合、最高裁判決は、「示談額を超える損害について賠償請求権を放棄する」旨の条項については、その後予期しない著しい事態の変化がおきたときは、その条項について失効できるとの考えを示しています。

このほかにも、当初の示談はその時点で予想される傷害についてであり後から発生した重大なる損害については別個に追加請求できると認めた裁判例があります。

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