死亡事故の示談では、被害者の相続関係を確認せよ!

死亡事故の示談では、被害者の相続関係を確認せよ! | 芸スポ速報 on TOPBUZZ相続は死亡によって始まります(民法八八二条)。これは交通事故でも同じこと。事故で死亡した被害者の損害賠償請求権は、遺族に移ります。ただし、婚姻届をしていない内縁の妻には、相続権はありません。したがって、損害賠償請求もできません。

しかし、これはあくまで法律上のタテマエ。内縁の妻(婚姻届を出していない妻)の場合、実際上は、法律上の夫婦となんら変わりがないところから、損害賠償では、夫婦と同様の権利を認められるようになってきています。この内縁関係は、立証が必要。単なる間接者やお妾さんは、損害賠償請求権が認められません。

また、相続とは別ですが被害者が会社員で、その人の属していた会社において独特の才能、非常に特別な能力を発揮していて、ほかの人では替えがたく、しかも、交通事故死と会社の損害との間に因果関係を立証できれば、会社は損害賠償を請求できます。しかし、これはなかなかむずかしいのが現実。

また、救助費、捜査費、治療費、護送費、葬儀費などを立て替えた場合は、相続の有無と関係なく、その実費について、加害者に請求できます。慰謝料は、これも相続分とは別に被害者の父母、配偶者および子に請求権があります(民法七一一条)。これは内縁の妻にも認められているほか、被害者と特別親密な間柄にあった近親者にも認められることもあります。

ひと口に相続といっても、このようにいろいろなケースがありますので、加害者は、被害者の相続関係をよく確認のうえ、示談に臨むべきでしょう。

被害者の父母や本人が離婚しているような場合も気をつける必要があります。被害者の父親と示談交渉していたところ、その父親と別れた妻が割りこんできて、損害賠償を請求してきたといった事例もあります。このように、異議を申し立てられたりすると、せっかくスムーズに運んでいた交渉が難航しかねません。このようなことのないよう、遺族の損害賠償請求権者各自の委任状をとりつけ、代理権を有する一人の人物と交渉に当たること。そのためには、被害者から住民票や戸籍謄本を出してもらい、請求権利者を確かめたいものです。離婚したり、再婚したり、蒸発して行方不明であっても、請求権がありますので、間違わないこと。この場合、委任状には印鑑証明をつけてもらうようにします。保険会社では、このような手続きを必ず行っています。

もし、蒸発などにより賠償請求権者の一人が行方不明なら、その請求取得分を保留して、示談します。相続人の法定相続分は、次のように定められています(民法900条)。

  1. 相続人が配偶者だけ、子どもだけ、父母だけの場合は、それぞれ、配偶者や子ども、父母が全額を相続します。
  2. 配偶者と直系卑属(子)の場合は配偶者が1/2、子が1/2を相続します。この場合、胎児も生まれたものとみなされます(民法八八六条)。
  3. 配偶者と直系尊属(父母)が相続人の場合は、配偶者2/3、直系尊属が1/3を相続します。
  4. 配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合には、配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4を相続します。

だから、被害者の母親が蒸発していて、父親と示談交渉するときは、母親の請求分である1/2を保留して示談すればよいわけです。すでに父親と示談を進めていたところ、離婚した母親も賠償請求してきたような場合も、同様です。できれば、改めて三者で協議するか、父母のどちらかに代理権を与えてもらい、その代理権者と交渉すべきでしょう。

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