親に責任がない場合でも、やはり親が賠償するのが得策!

親に責任がない場合でも、やはり親が賠償するのが得策! | 芸スポ速報 on TOPBUZZ交通事故をおこす率の最も多い年齢層は、16歳~18歳です。学年でいえば高校生、バイクにあこがれる時期です。

バイクは乗り方しだいでは、“走る凶器”のような危険性を帯びます。事実、高校生によるバイクの事故が多発しています。例えば、高校生がオートバイ後部に、同級生の友人を乗せてドライブ中、速度を出しすぎ、カーブを曲がりきれなくなって転倒、友人は右下腿部を骨折した事故がありました。この事故では、その友人の父親から運転していた高校生に損害賠償を請求してきました。このような場合、支払いはどのようにすればいいのか、意外に知られていないようです。

1 損害賠償責任の原則
損害賠償の責任について民法は709条で損害賠償の責任は事故をおこし、他人に損害を与えた本人にあると定めています。また、自賠法(自動車損害賠償保障法)は第三条で「自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によって他人の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる」として自動車の保有者その他自動車を運行に供する者の責任を定めています。

2 未成年者に責任能力のない場合
それでは、高校生などの未成年者が事故をおこした場合はどうか。民法第712条は未成年者が不法に他人に損害を与えた場合、「その損害を賠償する責任がある」ことがわかるだけの能力を持っていないときは、損害賠償の責任を負わなくともよい、としています。この責任能力は個人によっても不法行為の種類によっても差があるため何歳で責任能力があり何歳ではない、ときめつけることはできません。

しかし一般には小学校を卒業して中学生(12歳~13歳くらい)になれば不法行為に対し責任能力があるとみられています。このような責任能力のない未成年者が、不法な行為によって他人に損害を与えた場合で、親権者がその未成年者の監督を十分に怠らなかったことを立証できないときは、親権者は損害賠償の責任を負わなければなりません(民法714条)。

3 未成年者が責任能力のある場合
未成年者ではあるが責任能力のある場合は、その未成年者の不法行為について親だからと言って当然には損害賠償の責任はありません。ただし、この年齢層では自分の財産で損害を賠償する能力がないのが普通です。

もし親権者に賠償責任がないとすると被害者はぶつけられ損、ひかれ損になりかねません。しかし、責任能力のある未成年者の親権者だからといって賠償責任を認めることは、民法第714条の明文上むずかしいのです。大阪高裁は、一八歳の店員のおこした事故について店員を責任無能力者とし雇主らに監督責任を請求した事件でその監督責任を否定しました。

4 親権者の運行供用者責任
このような矛盾を解決するために用いられるようになったのが自賠法第三条の適用です。車庫の提供や運行による危険性の監督、その他運行支配の帰属、あるいはバイクを買って与えることが、高校生の年頃にありがちな欲求不満の解消に役立つ、といったことを考えると、人身損害については親権者の賠償責任が認められる場合があるというわけです。

ただこの場合でも、自賠法の適用のない物件損害については、親権者にその責任は否定されることになるでしょう。しかし、そうなると被害者は、未成年者が物件損害の賠償能力を持つまで待たなければなりません。それに不法行為の損害賠償請求の時効は3年ですから、加害者の態度しだいで、被害者は、その前に訴訟の手続きをして、時効の中断をする必要があり、煩しい限りです。

加害者側としても、訴訟で判決を受けると、以後10年間はいつでも差し押さえなど強制執行されかねません。またこれによって時効が中断されるので、債権がある限りいつまでもこの問題がつきまといます。さらに加害者であり賠償責任者である未成年者が、大学受験を控えているような場合は、大切な時期にこうしたトラブルに巻きこまれかねません。訴訟ともなれば、一切の法律行為は親権者が代行することになります。

こう考えると親に賠償義務がないからと、つき放すことは適切な措置とはいいがたいでしょう。やはり、人身損害は自動車損害賠償責任保険でてん補し、物件損害はできるだけ両親が代わって賠償することが望ましいと思います。

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