精神的苦痛などの慰謝料は“日弁連の目安”を参考に!

精神的苦痛などの慰謝料は“日弁連の目安”を参考に! | 芸スポ速報 on TOPBUZZ医療費や逸失利益ではつぐなうことのできない非財産的損害、つまり精神的な苦痛も損害賠償の対象になります(民法710条)。これが、いわゆる慰謝料(精神的損害)です。

慰謝料の算定は、むずかしい問題をかかえています。精神という心理的な問題に客観的な基準を設けることは、きわめて困難だからです。仮に、顔に傷跡が残ったとしましょう。同じ傷跡でも男性と女性を比べたら、女性の方が精神的苦痛が大きいでしょう。顔は「女のいのち」といいます。鼻に傷跡が残る場合と頭髪のはえ際に残る場合でも違うでしょう。しかし、これはすべて外部の人間の勝手な想像にすぎません。

個人的にみれば、女性以上に悩む男性もいます。頭の毛のはえ際でも、非常に悩む人もいます。そこで、慰謝料の金額が争われた場合、裁判所は被害者、加害者双方の事情を考慮して、ケースバイケースで決めています。その際の考慮すべき事情としては、

  1. 事故の発生原因
  2. 過失の度合い
  3. 損害の種類、程度
  4. 事故時の年齢、職業、学歴
  5. 家族の状況
  6. 社会的地位
  7. 余命年数
  8. 後遺障害の程度
  9. 加害者側の誠意
  10. その他の事情

などがあります。場合によっては算定になじまない他の損害事項を慰謝料でカバーすることもあります。これを慰謝料の補完作用といっています。

しかし、客観的な基準がないと、どうしても説得力は弱まります。それが、賠償問題の解決を長引かせ、被害者の救済を遅らせがちでした。そのため、裁判官などの実務家が昭和50年、入院費や後遺障害等級などを参考にして慰謝料に一応の基準額を設け、傷害の軽重や個々の被害者の事情を劉酌して最終決定を下す方法がとられるようになりました。ただし、これも一応の目安で、強制力はありません。すでに日時を経過し、収入や消費における金銭感覚も変わっています。

そこで弁護士会や保険会社、交通事故相談所などから東京地裁に新基準の発表を要請していますが裁判所は「一旦、基準を設けると、それが一本立ちして不利な人も出るし不当に利益を、つける人も出やすい。損害賠償の公正妥当性が損なわれかねない」と、新基準を発表していません。

そのため、日弁連交通事故相談センターが、世相に合うよう裁判所の基準を手直ししました。これは、弁護士が、訴訟や加害者に損害賠償請求する際、一つの目安になっています。近ごろは、保険会社の査定や、交通事故相談所でも参考にするようになっています。

しかしこれも一応の目安ということであって、むしろ実際の示談ではこの基準よりもっと低い額で解決しているほうが多いのです。たとえば被害者が全治五か月、入院三か月、通院二か月の重症を負い、下肢に三センチの短縮後遺障害を残したとしましょう。これを計算すると、重症で160万円、後遺障害下肢三センチ短縮は後遺障害別等級表の10級8号に相当し、慰謝料は350万円、損害賠償の合計は510万円になります。

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